ナラタージュ~島本理生~

イメージ 1

図書館で借りてきて、この本を読みました。
選んだ理由は、「表紙が好きだから!!」
最初なんてそんなもんです。
例えば、CDを買うときに「声が好きだから」ってのと同じです。

これは大学生の女の子が主人公の恋愛小説です。
その女の子は高校生の時に部活の顧問の先生を好きでした。
卒業後にその先生から、部活の手伝いをしてくれないかという誘いが来るところから物語は始まります。

実は本編が始まる前にプロローグがあるんですが、そこにあるこの言葉に惹かれました。

 「きっと君は、この先、誰と一緒にいてもその人のことを思い出すだろう。
  だったら、君といるのが自分でもいいと思ったんだ」

これで、この話がハッピーエンドではない事が分かってしまうのですが、なぜそうなったんだろう?って思うところから読み始めました。

この物語を読んでいって「小野」という男子大学生にとっても共感できました。
彼の思ったことがとっても理解できたからです。
いっときますが、彼は物語の主役ではありませんし、外見の設定は良く分かりませんが、格好いい役どころではありません。
スガシカオの曲「クライマックス」に「主役じゃない方がふられてしまうシーンみたいな」ってのがあります。
それにマッチする登場人物です。

彼の思った事が良く分かったので読んでいくのに複雑な心境でした。
そして、自分の中では途中から彼が主人公になった物語でした。
ほとんどの人が主役にはなれないんですよね。